建物ができるまで
- Home
- 建物ができるまで
建物をつくる。
私たちの仕事は建設業、つまり「建物をつくる」仕事です。
その一言の中には、たくさんの思いや工程、工夫が入っています。
しかし、具体的には、どんな順番でどんな作業がどのように行われているのでしょうか。
令和4年に完成した鴻城土建工業株式会社の新社屋を元に、どんな風に作られていくのかをご紹介いたします。
完成までの道のり
STEP1設計・打ち合わせ
外観や内装の完成イメージを細部まで固める
全体的なイメージをお施主様と設計者と施工者の間で共有します。
建物模型を用いて、外観や内装の完成イメージを細かいところまで固めていきます。
建物を作りはじめるとやり直しは難しいため、施工に入る前の重要な工程です。
STEP2建設予定地
建設予定地です。
測量機器を用いて位置出しを行い、本格的な工事に移ります。
STEP3地盤改良工事
地盤改良から地下の施工
まずは、現在の地盤に固化材と水を練り混ぜて改良します。
この工法には、コスト削減、省資源、残土処分量の減少などのメリットがあります。
STEP4基礎工事
基礎の始まりは、墨出しから
地盤が整ったら、いよいよ基礎工事からスタート。
鉄骨アンカーをセットし基礎に埋め込みます。基礎の位置を記す墨出し(位置出し)を行い、目印をつけていきます。
コンクリートを流し込んで下地づくり
鉄筋を目印に合わせて組み立て、コンクリートを流し込むための型を作ります。
型枠にコンクリートを流し込み、しっかり固めたら、型枠を外して寸法の確認。
埋めてしまってはもう見えない部分。だからこそ丁寧・確実に!最後にコンクリートを土で埋め、下地づくりの完了です!
STEP5鉄骨工事
高所作業は、安全対策を抜かりなく
建物の骨組みとなる鉄骨の組立てを行なっていきます。高所での作業となるため、落下防止設備の取り付けが必須。
STEP61階土間・2階スラブコンクリート工事
1階腰壁・土間コンクリート工事
1階土間は、ローラー・ランマ・プレート等を使用し、転圧をしっかり行う。防湿シートを敷き込み、鉄筋配筋、コンクリート打設という流れになります。
2階スラブコンクリート工事
2階スラブは、鉄骨工事によるデッキスラブ架完了後、溶接金網 6φ 150×150を敷き、コンクリート打設の流れになります。
STEP7屋根工事
屋根工事
屋根の材料は長すぎてトラックに積めないため、ロール状で運び現場で成形します。
断熱材、耐火材、防水材料を張り、その上に成形した屋根材を葺きます。
STEP8鋼製建具工事
鋼製建具工事
設計図で決められた位置に鋼製建具を取付します。
昔はレベル測量とさげ括りでの調整でしたが、今は、レーザーで一度に縦・横の測定ができる時代になりました。
STEP9外壁工事
外壁工事
外壁は、石膏ボード+断熱材+遮湿防水シート+角波サイディング(ガルバリウム鋼板)張りです。
防火構造認定108条第2号防火30分商品です。
STEP10内装工事(下地1・下地2)
下地1
軽量鉄骨下地組です。この時点で電気配線および給水配管等を施工します。
下地2
設備関係の配線と配管が終わったことを確認したら、石膏ボードを貼っていきます。
STEP11内装工事(仕上げ1・仕上げ2)
仕上げ1
クロス張前のパテ処理を行います。
床も壁同様に設備関係の配線。配管が完了したところから置床設置工事を進めていきます。
場所によって素材を使い分け
エントランスは床に石を貼りました。天井は岩綿吸音板、壁はクロス張り(腰壁は木板張り)としています。
書庫や物置は、湿気や臭いを吸収してくれる木材を壁に使用。トイレの天井に使った炭塗料は、臭いを吸収してくれます。エントランスやホールの壁には、耐火性も高いジョリパッドを使用。
見た目だけでなく用途に合わせて、材料や仕上げ方を変え、実用性も高める。設計士のこだわりが詰まっています。
STEP12完成
内装は細部までこだわり満載
「山口の象徴的な風景を取り入れたい。」との声にこたえ商談も盛り上げるオリジナルなステンドグラスを取り付け。
また、オフィスで作業に集中できるように、パーテーションを取り付けました。
さらに、「山口のいいところをもっと生かしたい。」という木工事業の方のアイデアで地域との融合を表現!
地元木材を使用した商談机を置き、地域に密着した鴻城土建ならではな商談スペースが完成しました。
地域の風景と建物が調和する外構
エントランス前のシンボルツリーの廻りを、石・砂利で覆うひと工夫。
木の成長を妨げないよう、手入れもしやすいように、環境と実用の調和をはかります。
施工者インタビューこだわりや工夫を聞いてきました!
安全管理あっての建物づくり施工担当 金子 航
「施工」の仕事に対する意気込みや、いつも心がけていることを教えてください。
高校生時代の職場見学の際、当時の部長に「建物を建てる上でに特に気を付けることは何でしょうか?」と質問をしたところ即座に「安全第一」という答えが返ってきました。当たり前のようだが一番大切なのだと。
正直、まだ何も知らなかった当時17歳の私は、施工管理という仕事の苦労話が聞けると思っていました。しかし、今になってみると安全管理こそが工程管理や品質管理を行う上でその根底にあるものだと感じるようになりました。
今回の工事で苦労したこと、その上で工夫したことを教えてください。
建築会社の自社社屋ということもあり、設計図書の各所に強い想い入れや拘りが感じられいつも以上のプレッシャーを感じながらの工事でした。
現場代理人として設計の意図を反映すべく協議を重ね、検討・調整・確認を繰り返してきました。初めて経験する事も多く、とても勉強になりました。
最後にひとこと!
未だ一人前と呼ぶには程遠いですが、明治16年創業という歴史や、「真心と確かな技術」という弊社のキャッチコピーに恥じぬよう今後も技術の向上に努めて参ります。
カブトガニをイメージして設計した屋根を
一度見に来てください。施主・設計者 代表取締役社長 善生 浩一
「施主として」新社屋に取り入れかったことを教えてください。
色々ありますが、主なものは以下の2点です。
- 広い執務スペースと最適な動線
- 吹抜けのあるエントランスとエレベーター
「設計者として」のコンセプトと設計で意識したことを教えてください。
外観は景観上シンプルに、屋根形状は日本に産する唯一の種であるカブトガニの背甲からイメージしています。
内観は和と洋とのバランスを活かしたデザインとし山口県産木材を多く使用、執務中にも癒しの空間を提供できればと考えました。
弊社の立地条件を活かすべく、お客様と社員の息抜きスペースとして観覧デッキを設け、北方にそびえる鳳翩山が一望できる設計としています。
最後にひとこと!
弊社は木造、鉄骨造、コンクリート造とすべての建築物に先人からの技術継承はもちろんのこと、それ以上の技術向上を常に社員全員で目指しております。
これからも山口市を拠点に建築事業を通して地域貢献を続けて参ります。
いかがでしたでしょうか。
もちろん、これは一つの例であり、建物によって様々な順序や工法があります。こんな建物をつくりたい!
などのご希望ご相談があれば、お気軽に弊社までお問い合わせください。